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2019.5.31 中建日報 診断士が語る戦争を経験した橋 7回目 翻弄される市民の橋 冷戦時代の橋 | 広島県コンクリート診断士会
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2019年5月31日 中建日報

診断士が語る戦争を経験した橋 7回目 翻弄される市民の橋 冷戦時代の橋

2019年5月31日 中建日報

市民が守った橋

 ドイツ・ドレスデン市にはエルベ川に架かる「青い奇跡」と呼ばれるロシュビッツ橋があります。1893年に架けられたこの橋は、当初は緑色に塗られていたものが次第に青色に変わったことから、このように呼ばれるようになったといいます。
 橋梁技術者でなくても塗料が変色するのは紫外線の影響で特に珍しくもないと思われる方も多いでしょう。それよりも、この橋がエルベ川にかかるドイツ軍による爆破を免れた唯一の橋であることのほうがある意味奇跡かもしれません。なぜ爆破されなかったのか理由は明確ではありませんが、爆破計画を聞きつけた市民が爆薬を取り外して阻止したという説があります。それとも、爆破命令の前に、ドイツの敗戦が決まったからかもしれませんが。
 余談ですが、ドレスデンのロシュビッツ橋を含むエルベ川の景観は2004年に世界遺産となりました。しかし交通渋滞解消のためこの橋の下流に新橋が建設されると、景観を損ねたという理由で2009年には世界遺産登録を抹消されてしまいました。

橋とともに沈んだ市民

 1950年に朝鮮戦争が始まってまもなく、北朝鮮軍がソウル市に迫ってきた際に悲劇は起こりました。侵攻を恐れた韓国軍は、市内に架かる漢江人道橋の爆破命令を出しますが、韓国軍は橋の前方で未だ戦闘中であったため爆破指示は取りやめになりました。しかし、この爆破中止命令は指揮系統の乱れから現場に届かず、約4000名の市民が渡っている状況で爆破されました。犠牲者は800人あまりと言われますが、この爆破の責任は現場指揮官一人の処刑にとどまったのでした。
 前線の韓国軍は背後の橋が爆破されたことを知って総崩れとなり、また漢江人道橋に隣接する漢江鉄橋の爆破は不十分であったため、ソウル市は北朝鮮軍侵攻をうけることになったと言われます。

スパイ交換に利用された橋

 ドイツ・ベルリン市の郊外、ポツダム市との境界ハーフェル川に架かるグリーニッケ橋はスパイの橋と呼ばれる橋です。この橋は1907年に建設され、爆破を経て1947年に再建されたのですが、東西冷戦の時代に当時の東ドイツと西ドイツの境界に位置したことからスパイ(工作員)の交換の場として何度も利用されました。
 有名なのが、スパイ行為をしていて撃墜されたアメリカ軍偵察機の操縦士と、同じくスパイ行為で逮捕されたKGB大佐との交換(1962年)です。当時は、橋の西側が東ドイツ、東側が西ドイツで、互いのスパイを橋のたもとに立たせ、同時に中央へ歩かせて交換するスタイルをとっていました。
 この史実はスピルバーグ監督の映画「ブリッジ・オブ・スパイ」という映画で紹介されています。この橋も、ある意味戦争に巻き込まれた橋と言えるのではないでしょうか。




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