2019.6.12 こだわり人 米倉亜洲夫 | プレス情報 | 広島県コンクリート診断士会

2019年6月12日

こだわり人 米倉亜洲夫

2019年6月12日 | 広島県コンクリート診断士会
コンクリート建造物の長寿命化のコンサルタントやポーラスアスファルト舗装の長寿命化等の講演を行う。 土木学会 名誉会員 日本コンクリート工学会 終身会員 広島県コンクリート診断士会 会長 工学博士 株式会社米倉社会インフラ技術研究所 代表取締役 略歴 昭和17年(1942年)1月15日 佐賀県で生まれる。 昭和42年(1967年)3月 広島大学大学院工学研究科土木工学専攻修了 昭和42年4月 阪神道路公団入団 昭和43年3月 広島大学助手 昭和50年(1975年) 東京工業大学助手 昭和56年(1981年)10月 東京工業大学から工学博士号取得 昭和57年4月 広島大学助教授 平成5年(1993年)~平成11年(1999年)広島大学教授 平成11年~平成22年(2010年) 広島工業大学教授 平成17年(2005年)広島大学名誉教授 平成22年(2010年)9月~ 株式会社米倉社会インフラ技術研究所設立、現在に至る。

セメント・コンクリート冊子に掲載 30年目の「夜中の水撒き」米倉亜洲夫

 かつて「セメント・コンクリート(No.684 2004/2)自宅建設に関する「随想」を書かせて頂いた。その記事の中にイラストを漫画家・泉 昭二さんが描いて下さった。それを現在許可を頂いて、名刺の裏側に使用している。

昭和60年(1985年)に鉄筋コンクリートの我が家を建設

 良いコンクリートで100年もたすという思いから、低水セメント比の高強度コンクリートで、湿潤養生を土木学会コンクリート標準示方書で規定している期間の2倍以上行った。  建設作業員はコンクリート打設後、早く乾かさないと強くならないと言って、翌日には側板の脱型を行い、下から支えている型枠は1~2週間後には取り外し、湿潤養生を全く行わなかったため、自ら水撒き(湿潤養生を行ったのである。

30年たってもメンテナンスフリーの成果

 いずれの外装面も吹きつけタイルで、大変汚れが少なく、美しく、30年経っているとは思えない。これは水撒きで表面部コンクリートが蜜実になっているからである。  湿潤養生をしなかったコンクリートは、4~5年でカビやコケで真っ黒に汚れてします。

コンクリートの建造物は大丈夫か?

 昭和35年(1960年)~昭和50年(1975年)代初めに建設されたコンクリート建造物の老朽化が莫大となってきている。  この時期には日本は、高度経済成長時代、建設ブームで、東京オリンピック、東海道新幹線、名神・東名高速道路、黒部第4ダム、首都・阪神高速道路、万博、山陽新幹線などが建設された。この15年間で消費されたセメント量は欧米の100年分の消費量だった。  そのコンクリート建造物の老朽化が始まっている。

コンクリートの養生とは

1.まだ固まらないコンクリート表面が乾燥しないように覆いをする。 2.コンクリートが効果を始めたら水撒きを直ちに行う。 3.セメントと水との化学反応を継続させるため少なくとも10日以上、出来れば2週間以上ぐらいまで、湿潤養生(水浸し養生)を行う。 4.建設初期、感想や温度応力等により、コンクリートにひびわれが発生した場合、湿潤養生を長期間行うことにより、ひび割れを修復できる。  我が家の建設の時も、石灰石骨材を常用する生コン工場に相談しに行った。海砂使用OKで、水セメント比45~50%、高性能AE減水剤使用、単位水量180kg/m2以下。設計強度は210kgf/cm2の2倍以上で、材料分離しない生コンを特注した。  コンクリート打ち込み時には、バイブレーターで自ら締め固めた。  毎夜10時頃から、コンクリートがジュウジュウと音を立てて喜んでいた。2週間行った。  これらのおかげで、蜜実なコンクリートとなり、目立ったひび割れや雨漏りもなく、表面の汚れも少ない。  水セメント比を少し小さく抑え、締め固めと湿潤養生を十分にしてやればコンクリートは健康に育ってくれる。

県コンクリート診断士会などで平和の灯補修工事 6/20

 広島県コンクリート診断士会とコンクリートメンテナンス協会は、6月19日、平和公園にある「平和の灯」の補修工事をボランティアで始めた。7月19日、最新技術で痛みを直し、原爆の日に備えた。  故丹下健三氏の設計で1964年に完成し、市は必要に応じて修復してきたが、詳しい劣化状況は調べていない。会員皆が協力して、修復完成した。

9月29日 ご自宅に取材に行く

 株式会社米倉社会インフラ技術研究所の事務所があるご自宅ビルに米倉亜洲夫氏を訪ねた。このビルには、米倉氏のコンクリートの耐久性の研究の粋を集めて建築されたビルで、さすがに30年以上経ても劣化が無い。近隣のビルは昭和60年前後に建築されてまだほぼ同じ経過年数なのに黒いカビコケが発生したり、亀裂が生じたりして3~5回表面補修している建物も見せて頂いた。  「建築時にコンクリートの長寿命化を考慮して工事すればいい」と熱弁された。  全国でコンクリートの劣化が莫大となってきており、今後50年間の維持管理費、更新費、修繕費等として190兆円必要と推定されている。  米倉氏の研究・実践・成果は大きい。
Copyright(C) 2011-
広島県コンクリート診断士会
All rights reserved.