2021年4月26日 中建日報
第46回定例会開く CO2-SUICOMなど最新技術紹介
広島県コンクリート診断士会(十河茂幸会長、写真)は14日、第46回定例会(勉強会)を広島市中区で開催。特別講演としてデンカの庄司慎氏が二酸化炭素を削減する目的で開発された環境配慮型コンクリート「CO
2-SUICOM」を紹介したほか、井上建設と太平洋コンサルタントによる技術紹介もあった。
定例会は、会員の技術向上や親睦等を目的に隔月開催しているもので、この日は約40人の会員が活発に意見を交わした。
特別講演として披露された「CO
2-SUICOM」は、自然環境下で二酸化炭素によって中性化すると鉄筋の腐食環境になるため、通常はこれを避けることが対策としてとられるところを、二酸化炭素を用いて養生する逆転の発想によってコンクリートを緻密化する技術。
同技術を実証した鹿島建設、デンカ、中国電力、ランデスらは、地球・人間環境フォーラムが各省の後援を受けて実施しているエコプロダクツ優秀賞を受賞している。
また、技術紹介に立った井上建設の金光誠司氏は、「歴史的構造物長浜大橋の塩害対策について」をテーマに、亜硝酸リチウム内部圧入工法を採用した経緯や補修技術の概略、施工状況について説明。
太平洋コンサルタントの青山一真氏は、「X線CTを用いたコンクリートの解析」と題して、人の診断に使われるX線CTを応用し、コンクリート内部の状態を非破壊で調べる技術が今後の分析に活用できることを示した。
なお、今年度の通常総会は6月18日に開催する。特別講演として、日本コンクリート工学会の「既設コンクリート構造物の予防保全を目的とした調査・診断・補修に関する研究委員会」で委員長を務めた竹田宣典氏、幹事長の江良和徳氏が研究成果の報告を行う予定。