| プレス情報 | 広島県コンクリート診断士会

2023/07/13整備局と5県診断士会  地位向上へ情報交換継続  合格率15%の難関も評価伴わず

中国地方整備局と中国5県のコンクリート診断士会は11日、広島市中区で第3回目となる意見交換会を開催。各会が個別展開している技術研修や現場見学会などの活動、国の老朽化対策に関する最新施策などについて情報共有が図られたほか、コンクリート診断士が維持管理に特化した専門的で高度な資格であることを踏まえ、入札参加の資格要件等において他資格との差別化を図ることなど、診断士の地位向上を要望した。
 会合には、中国地方整備局道路部の髙口敏弘道路保全企画官、蔵本直行道路構造保全官、塚本勝幸道路構造保全官ら維持管理部門の幹部職員、5県の診断士会からは、広島県コンクリート診断士会の十河茂幸会長(近未来コンクリート研究会)をはじめ、岡山県の澤嗣郎会長(エイト日本技術開発)、島根県の松浦寛司会長(同)、鳥取県の田中孝志会長(西谷技術コンサルタント)、山口県の瀬原洋一会長(トキワコンサルタント)ら各県の会長・副会長が顔を揃えた。
 十河会長は冒頭のあいさつで、「診断士になるにはかなりの知識と経験が必要だが、その割には評価が低いのではというのが共通の思い。資格があれば必ず良い仕事ができる訳ではないが、必要条件ではあるはず。本日はわれわれの活動をご理解いただくことで、地位向上に向けたご指導・ご協力をお願いしたい」と述べた。
 意見交換の中で診断士会側は、管理技術者における診断士の資格がRCCM等と同等の評価に位置付けられ、合格率約15%と難関であることから受検者も減少傾向にある現状を懸念。差別化などの対応を求めたことに対し、整備局側は「専門的資質を幅広く活用していただけるよう資格要件を幅広く設定しており、全国的な問題でもあるので難しい。何か良いアイデアがあればぜひ提案してほしい」と回答し、今後も情報交換を継続するとしたが、「診断士を持っていることで印象は違う。その意味で一定の差別化はなされているのでは」とする意見もあった。
 また、会員のスキルアップのため、管内で実施されている橋梁・トンネル等の補修や再劣化事例についての情報提供を求めたことには、「有料だが、全国道路施設点検データベース等で閲覧が可能。ぜひ利用してほしい」とし、今年度から2巡目の最終年度に入っている5年点検については、「3巡目に向けて効率化の観点から見直しを行う場合もあるが、現時点で情報は来ていない」とした。
 このほか、十河会長らが広島県土木協会らと連携して取り組んでいる小規模橋梁の簡易点検要領の作成に向けた取組みも紹介された。簡易的な削孔等によって目視と打音検査ではわからない塩化物イオン量や中性化の深さを測り、計画的な予防保全につなげるためのもので、この件についても後日改めて意見交換を開くなど、情報共有を図ることで一致した。
Copyright(C) 2011-
広島県コンクリート診断士会
All rights reserved.